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堕ちた元委員長  98  「裁判所は騙せても、真実までは曲げられない」

2011年2月10日

 大相撲に関し“確たる物証”が出てきたことで、もはや「疑惑」の段階ではなくなった八百長問題。これまでこのテーマを手がけたことのある週刊誌メディアは、ここぞとばかりに、競うように“功績争い”を始めている。例えばこの問題を追及してきた「老舗格」を自認する「週刊ポスト」は、最新号の2月18日号において、「角界の八百長問題は、本誌が四半世紀以上前から報じてきた内容」「「07年に『週刊現代』が八百長追及キャンペーンを開始するまで、「国技のタブー」に正面から斬り込んできたメディアは本誌だけ」「『週刊現代』の取材が杜撰であったことは間違いない」などと、自画自賛を繰り返す。
 一方、日本相撲協会などから訴えられた3件もの名誉棄損裁判で完敗し、約4800万円もの高額賠償金を支払った講談社発行の「週刊現代」は、2月19日号において「裁判所は騙せても、真実までは曲げられない」と、当事者ならではの特集を掲載した。さらにその上で、「本誌は裁判には敗訴したが、『八百長相撲の蔓延』という重要事実を、正確に伝えたと自負している」と主張している。
 同じ週刊誌では「週刊新潮」も、2月17日号で、「八百長裁判『巨額賠償』で週刊誌を委縮させた『司法』の暗愚」というタイムリーなタイトルの特集記事を掲載した。だが、講談社に取消広告まで命令した裁判官について、「ホント、こんな判決を出した裁判官のご尊顔を拝してみたいものである」と述べつつも、肝心の裁判官に取材した様子はまったくない。その意味では、極めて中途半端な、お手軽な記事にほかならない。
 ともあれ、講談社発行の「週刊現代」は、「裁判所は騙せても、真実までは曲げられない」と自らの信念を活字にした。これと同じように、裁判所を騙せたとしても真実を曲げられないケースは近年ほかにも見受けられた。元政治家の「矢野絢也」の主張を同誌がそのまま掲載し、裁判沙汰になったケースである。
 この裁判で、一審は矢野の主張をことごとく“排斥” する一方、一転して、二審では逆の判断を下したことは既報のとおり。争点となったのは、一審原告の公明党国会議員OBが矢野との会話を録音した音声データの扱いだったが、一審では「改竄されていない」と判定し、二審では確たる証拠もなく「改竄されている」旨を認定した。結局、完全な判定が下されたとはいえないままの状況が続いているが、ここでも動かしようのない≪新たな物証≫が浮上すれば、八百長疑惑のケースと同じように、「真実までは曲げられない」という内容が確定する関係にあることはいうまでもない。

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カテゴリー:コラム, 矢野絢也
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