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財政破綻の戦犯は?

2011年1月26日

 ここにひとりのがん患者がいるとする。がんを患っていることは初期のころからすでに家族の間でも知られていたし、心配もされていた。だが、これまで家族は「まだだいじょうぶ」と言い続け、根本的な治療を受けることを強く主張することもなく、避け続けてきた。多くの負担を伴うし、そのほうが楽だったからである。そのため、患者本人も「そんなものか」と深く考えることもなく、これまで来たのだったが、もうだれが見ても末期症状に近くなった。がん細胞はいまや全身へと転移し、いつ亡くなるかわからない状況になってきた。
 いまの日本の財政が置かれた現状をわかりやすく説明すればこんなものであろう。そのため、時の民主党政権が、“手遅れ患者”に執刀する意図だろうか、「この人は名医です」と言ってライバル病院から引き抜いて連れてきたのが、「与謝野馨」というがん細胞に関する知識にかけては周囲を凌駕するといわれる医者だったというわけである。今日付の産経新聞のコラムで、元検事総長が次のように指摘していた。
 「財務省の統計によると昭和54年の公債残高は56兆円であったが、20年あまり前の消費税導入時には161兆円に膨らみ、昨年度には637兆円にまで達した。税収より赤字公債のほうが大きい国家歳出など続けられるはずもなく、年金、医療、介護といった社会保障制度の設計などできるはずもない」
 「(民主党政権が)いかなる動機と見通しをもって政策転換したのかは知る由もないが、この問題を国民と国会の前に提起した意義は等閑視されるべきではあるまい」
 それはその通りだと思う。
 こうした事態に立ち入ったそもそもの「原因」の一つは、問題の所在はわかっていながらも、有権者の反発をおそれてずるずると解決策を実行できないできた政治制度(選挙制度や政治形態)にもあると思われる。
 ともあれ、国家が財政破綻した場合、その「戦犯」として名指しされ、追及される対象となるのはだれか。その最大の政治責任が、かつての自民党にあることはいうまでもないが、連立のパートナーであった公明党も、その一員として指摘される可能性が高いことは、いまからはっきりと自覚しておいたほうがよい。
 それに比べれば、民主党の子ども手当法案に反対し、世論の反発を受けるかもしれないなどと今から心配することは、目先の選挙のことしか考えていない、浅い議論に思えてならない。

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