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「週刊文春」の連載は“お粗末”の極み

2010年11月27日

 いちいちこのような代物を“逆宣伝”する必要もないのだろうが、同じ業界の末席を汚す者としては、業界劣化の最たるものに映るのでいちおう触れておきたい。「週刊文春」が現在発売号で、池田名誉会長に関する連載を始めた件である。「徹底取材」「その実像に改めて迫る」と見出しは仰々しいものの、その内容はお粗末の一言に尽きる。短的にいえば、執筆者は最低限必要な資料すら読みこめていないし、取材の方向性もあいまいで、全体像をおよそ十分に把握できていない結果か、「実像」に「迫る」どころか、逆に「かけ離れている」ようにしか見えない。例えば、池田名誉会長が第三代会長に就任するいきさつについて、大蔵商事時代に借金のとりたてがうまかったからといった愚にもつかない理由が書いてあるだけで、会長就任の動機をはなから「野望」と決めつける。だれが好き好んで、首相以上の激務にも見える教団の会長職に就くだろうか。この記事に書かれているのは、執筆者の「推測」と、恣意的な材料集めばかりで、特段目を引く内容は見当たらない。
 要するに、必要十分な取材を行っていない。そのため、取材で得た「事実」を中心に主要部分を構成するのではなく、逆に≪取材の不備≫を筆者の浅はかな推測と予断で恣意的に埋めあわせているにすぎない、お粗末な代物なのである。「週刊文春」も落ちたものだと、しみじみと実感させてくれる文章である。

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カテゴリー:コラム, 文藝春秋
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