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“宗教団体は政治に関与するな”とぶちあげた産経新聞

2010年7月18日

 朝日新聞の天声人語にあたる産経新聞の「産経抄」(1面)が、何やら宗教団体の政治関与に文句をつけている。一部を引用してみよう。
 「参院選では、公明党を全面支援している創価学会に刺激されてか、多くの宗教団体が、特定政党や候補者を陰に陽にサポートしたが、結果が伴わなかったところも多い。政治に首を突っ込むのは勝手だが、キレる大人や欝病、毎年3万人を超す自殺者といった問題に真正面から取り組んでいる既成宗教は少ない。それがオウム真理教をはびこらせた一因になった。心ある宗教人は一刻も早く街や村に出よ。政治は俗人に任せておけばいい」(本日付)
 このコラム執筆者は、宗教団体あるは宗教関係者が政治に関与し、“結果が伴わなかったところが多い”ことを問題にしているようだ。だから宗教は政治に関与すべきでないという趣旨のようである。だが、これはおかしな話であろう。結果が伴うかどうかはまさに結果論にすぎないのであって、本質的な話ではない。この文章を素直に読めば、宗教団体でも、結果が伴うならOK、伴わない教団はダメといったふうにしか読めない。
 戦後すぐの段階から、多くの宗教団体(新興宗教・既成教団を問わず)が候補者を独自に擁立し、あるいは支援してきた。そのなかで天理教のように10人程度の国会議員を擁しながら政治から撤退した教団もあるし、政党をつくった教団もある。今回の参院選挙が特別、宗教の関与が多かったとも小生には思えない。
 しいていえば、幸福実現党の存在であろうが、まさに立候補するのは自由、ということではなかろうか。有権者の支持を得られなければ、当選ラインに遠く及ばず落選するだけの話であり、それはそのまま、教団勢力の反映とも受け取られかねない。恥をさらすだけだからだ。要するに“淘汰作用”は明確に働くと考えられる。
 政治は「俗人」が行うもので宗教人が関わるべきでない、とする産経コラムの主張は、憲法が保障してきた「思想・良心の自由」「信教の自由」の否定であり、国民の均等な政治参加を奪おうとする≪愚論≫にしか思えない。

 【産経抄】 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100718/stt1007180257000-n1.htm

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