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“島国根性”が生んだ思考停止

2010年7月16日

 不思議なことに参院選挙期間中、外国人参政権が「争点」となる場面はほとんど見られなかった。反対派は、自民党、国民新党、たちあがれ日本などが公約に明記していた。もっとも自民党は、この問題で連立の合意事項としてかつては署名まで行い、さらに法案審議に協力してきた経緯もある。自民党のこの問題への対応の実態は、もはや“迷走”といったほうがよいものだ。
 全国紙では朝日新聞が「多様な社会への道を語れ」(7月5日付)と題する社説を賛成派の立場から掲載したほか、産経新聞が「争点隠しはフェアでない」(7月9日付)と反対論の立場で掲載した。一般の記事としては、東京新聞が「外国人参政権置き去り」(7月10日付夕刊)と題する社会面の記事を掲載したくらいである。
 全世界を見渡しても、この問題で、このような議論の対立を見せている国家は珍しいらしい。外国籍住民に地方選挙権を認めたら国が乗っ取られるといった「極論」が、現実の争点になるような国はほかにないということだろう。実際、お隣の韓国でもすでに2回、この制度で統一地方選を実施しているが、何か問題が起きたという話は聞いたことがない。まして30年近い実績をもつ欧州で、この選挙制度が原因で問題が起きたという事例は皆目耳にしない。
 島国根性の弊害そのものであろうか。根本的には、外国籍住民を自分たちと「同じ人間」としてとらえきれない≪偏った感性≫から生じている問題ともいえよう。外国人をすべて≪敵性≫ としてしかとらえられないとき、国籍の区別は、単に味方・敵といった短絡的なものにしか映らないようだ。
 日本人的気質の生む「愚かさ」が、これほどわかりやすく出ている事例はないように思う。

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