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真正保守と詐称保守

2010年6月28日

 昨年秋、取材で北海道の洞爺湖に立ち寄ったときのこと。一泊した大型ホテルでの食事は大ホールでのバイキング形式だったが、驚いたのは宿泊客の半数以上が中国語を話す人々であったことだ。さまざまな場所で、中国人旅行者の数に圧倒された経験をもつのは私だけではあるまい。東京でもマクドナルドに入れば、多くの中国人客が目につく。日本経済はもはや、中国人なしに成り立たない感さえある。そんな折、保守派の論客と目される佐伯啓思という人の『資本主義はニヒリズムか』という本を読んでいたら、次の一節に出会った。「日本人のエートスと古代中国」という小見出しのもと、次のような対談がなされている。

 三浦  中国からの観光客が癒されるのは、日本に自分たちの先祖を見に来るという感じだからじゃないか。
 佐伯  そうかもしれませんね。
 三浦 ちょっと過激な仮説だけど、友人にそう言ったら、そうかと頷いていた。(中略)正統な古代中国文明の直系は日本である。(中略)
 佐伯 そうなると日本文化論になってくる。もちろん、純粋な日本文化なんてない。だいたいほとんどが渡来系ですし、天皇だって遺伝子で言えばどこから来たか分かったもんじゃない。

 佐伯氏は保守派の論客ながら、現代日本人が渡来人(大陸・半島から渡ってきた人々)の末裔であることを“正確に理解”している。さらに、天皇の祖先についても、客観公正な判断を示す。「事実」をもとに、自らの主張を組み立てるという大原則から外れていない。この点が、同じ保守派とはいえ、日本の「ネット右翼」らとの根本的な相違に見える。
 「ネット右翼」らは、自分たちの主張のためには、平然と“前提事実”を捻じ曲げることをいとわない。「在特会」や「主権回復を目指す会」などの極端なまでの朝鮮・中国人蔑視行動、東村山市議転落死事件における根拠なき批判の実態などを見れば、そのことは明らかであろう。「デマ」や「人種的偏見」をもとにした、このような危うい「手法」の跋扈が、日本を滅ぼすと考えるのは小生だけだろうか。

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カテゴリー:コラム, 在特会
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