ホーム > コラム, 外国人参政権 > 永住外国人とは

永住外国人とは

2010年5月6日

 永住外国人が一般永住者と特別永住者の2種類に分かれるのは、日本の特殊事情による。特別永住者は、日本の植民地政策の結果、戦前から日本に滞在する人々の子孫で、韓国・朝鮮、台湾(中国籍としてカウントする)などが存在する。2008年末の数字で42万人だ。
 一方、一般永住者は他国で「永住者」としているもので、こちらが本来の永住者だ。08年末、49万人で、計91万人が1年半前の数字だ。現在はすでに100万人近い規模になっているはずだ。
 わずか4年前の2004年末は、特別永住者のほうが多かった。一般永住31万人に比べ、特別永住は46万人いたからだ。“逆転”したのは2007年で、中国人やブラジル人などのニュー・カマーが大量に永住権を取得し始めたことによる。
 「永住」という在留資格を得るには、原則、日本に10年以上滞在することが要件になる。日本人と結婚した場合は、5年に短縮されるが、それでも日本国籍取得(帰化)の要件が5年になっていることから考えると、日本では、帰化するより、永住権を取得するほうが条件が厳しいということになる。
 永住権を取得するには、犯罪歴、納税状況など、多岐にわたる審査がある。簡単にとれるものではない。
 日本に10年以上滞在していれば、日本語もだいたいは意思疎通が可能だ。そうした人々に地方選挙に一票を投じてもらうのが、いま話題となっている外国人参政権の問題だ。
 一般には多くの誤解があるようだが、ぽっと出てきた旅行者や学生などに与えられるものではない。少なくとも、日本社会に定着している人々に付与されるものだ。
 一般永住者のなかには、特別永住者と同じように戦前から日本に住んでいたが、いったん途中で一時帰国するなどして、手続き上、「一般永住」しかとれなかった在日コリアンも一定数存在する。つまり、在日韓国・朝鮮人は、特別永住だけでなく、一般永住にもまたがる存在なのだ。
 さらに戦前から、横浜や神戸の中華街で暮らしてきた華僑なども、一般永住者として生きている。
 欧米系を含め、これまでさまざまな一般永住者に出会ってきたが、これらの人々に地方参政権を与えて、日本がおかしくなるなどと思ったことはただの一度もない。日本人以上に日本のことを考えている人も多く、日本社会にとってむしろプラスになると感じてきた。
 よく反対派は、中国人の脅威を口にする。それが現在の流行のようでもある。よく例に出されるのは、北京オリンピックの際の、長野での中国人の示威行動だ。日本の警察は、中国人の暴力行為を一切取り締まらず、逆に、チベット擁護の日本人を逮捕したことで、右派を中心とするチベット支援者らから大きな反感をもたれている。中国人は、日本大使館を中心に国内の留学生を動員し、傍若無人にふるまったと指摘されているのだ。
 そのときの映像を見ると、集団行動の事実は本当のようだ。日本の警察が日本人と中国人の暴力行為を平等に取り締まらなかったというのが本来の問題の立て方であるべきだと思うが、現実はそうなっていない。まして留学生に、永住者はほとんどいないだろう。これらの話も、対馬や与那国が外国人に乗っ取られるといった荒唐無稽な反対理由と同様、とってつけたような反対理由にしか感じられない。
 「乗っ取り論」と同じように、反対論者が口にする事例の多くは、ほとんどがタメにするようなものばかりだ。

広告
カテゴリー:コラム, 外国人参政権
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。