ホーム > コラム, 外国人参政権 > 「重国籍」が一般化する時代

「重国籍」が一般化する時代

2010年3月15日

 少し時期がすぎてしまったが、先のバンクーバー冬季オリンピックでは、二重国籍者の活躍が目立った。韓国のキム・ヨナ選手が金メダルをとったフィギュアスケート女子で、4位入賞した長洲未来(米国代表、16歳)は日本人の両親をもつ高校生。両親とも米カリフォルニア州育ちで、父親は日本料理店を営んでいる。米国は出生地主義の国籍法をもっているため、米国内で生まれれば、外国人同士の子どもであっても米国籍となる。その結果、必然的に日本国籍と米国籍の二重国籍となったケースだ。
 一方、日本代表としてアイスダンスに出場したキャシー・リード(22歳)、クリス・リード(20歳)姉弟のペアは見た限り、日本人には見えない容貌だった。母親に日本人をもついわゆる“ハーフ”で、姉のキャシーは日本国籍。弟のクリスは日本と米国の二重国籍で、この点は上記の長洲選手と同じだ。ただしクリス選手らは、アイスダンスで層の厚い米国を回避し、日本人選手として出場したという点で、長洲選手と異なる立場となった。
 日本の国籍法では成人の二重国籍は禁止されているため、法律上は22歳までの間にどちらかの国籍を選択しなければならないことになっている。ただしこのことを徹底するための具体的方策は存在しないのが実情で、一般的には、日本も二重国籍を容認しているのと同じ結果となっている。
 二重国籍者は、どちらの国のパスポートももて、いずれの国でも選挙権を行使できる存在だ。国籍をめぐる実情とはすでにそういうものであり、だからといって「あなたは米国のスパイだ」みたいな話になるはずもない。
 永住外国人に地方選挙権を付与すると国家が危うくなるといった考えをもつ人々は、こうした現実的側面を知らないか、無視している人々といってもよい。西尾幹二という人が『WiLL』という雑誌で、「アメリカ、オーストラリア、カナダという最も代表的な移民国家ですら、これ(※外国人参政権)をやっていないことを重く考えなくてはならない」(4月号)と書いていたが、同人の指摘は、認識不足の最たるものであろう。
 これらの国家はいずれも二重国籍を容認し、なおかつ出生地主義をとっているため、日本のような在日コリアン2世、3世、4世といった存在は、外国籍としては存在しないのだ。仮に日本が国籍法を血統主義(=日本人の子どもはどこで生まれても日本人)から出生地主義に切り替えるならば、日本で生まれた子供は外国籍の親から生まれた子どもであってもすべて自動的に日本国籍保持者となり、問題は解決の方向に前進すると思われる。いわば日本人というフル・メンバーで国政選挙にも自由に投票する権利を得ることになるからだ。
 二重国籍を容認しない国で、なおかつ、永住外国人の地方選挙権を認めていない国家は、OECD加盟30カ国の中で「日本だけ」という。日本がいかに“閉鎖性”を維持しているかおわかりいただけよう。日本はこの点では、世界においては明らかな「後進国」である。

広告
カテゴリー:コラム, 外国人参政権
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。