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公然と姿を現す「田母神」ブーム

2009年12月9日

 先日、正午からの「笑っていいとも」(フジテレビ)を見ていたら、元航空自衛隊幕僚長の田母神俊雄がテレホンショッキングに登場していた(12月3日)。前日の石原慎太郎・東京都知事の紹介によるものだったが、空幕長をクビになった過去を持ち出し、堂々と自己正当化の主張を「公共の電波」に乗せていた。講演会もひっぱりだこのようで、小生も最近、初めてこの人の肉声に接する機会があった。
 同人の特徴は、過去の日本の戦争責任をすべて捨象し、責任を考える姿勢については、すべて「日本を悪く言う人」といっぱひとからげに括ってしまうことだ。見方を変えれば、過去の行動について反省する心を自ら否定する偏頗な態度である。
 日本の外交姿勢についても、核武装するべきだと公言し、他国が止めてくれと言ってきたときに、「『何かくれ』といえばいい」といった調子で、すべてがパワー・ゲームという名のゲーム感覚に聞こえる。
 話自体は明瞭で小気味よく聞こえるので飽きない面もあるようだが、主張している内容はほぼ「幼児」のそれに等しいと言われても仕方がないだろう。所詮は「ボク悪くないもん、いい人だもん」と言っているだけだからだ。こうした人物を持ち上げている最大の団体が「日本会議」という名の右派統合組織であり、月刊誌「WiLL」などを発行するワック株式会社などがそうした風潮に乗って“金儲け”を図る出版社の典型といえよう。
 戦後一貫して公教育において近現代史の歴史教育を受けてこなかった日本人にとって、上記のような過去の戦争責任を認めない言説は、一定の割合で広がっているようにも見える。だからこそ、金儲けのための隙間産業がそうした場所に生じるわけだ。
 元「軍人」がまるで芸能人と同じように人々の心に無意識のうちに入り込んでいる昨今の状況は、「日常の風景」とはなにやら異なっている。「まがい物」が公然と跋扈できる時代が本格化しているようである。

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カテゴリー:コラム, 日本会議
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