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民主党案は朝鮮籍除外の方向  外国人参政権

2009年11月10日

 今日付の朝日と産経が1面で、民主党が臨時国会に提出を検討している外国人参政権法案の概要が報じられている。それによると、民主党が念頭に置いているのは、従来の2段階目の法案で、朝鮮籍を実質的に除外するほかは、すべての永住外国人に地方選挙権付与を認めるもののようだ。98年の初法案提出以降、法案内容は以下の3段階で推移してきた。
 (1) 永住外国人すべてに権利付与を認める当初法案
 (2) 朝鮮籍など外交のない国を除外する北朝鮮対策法案
 (3) さらに対象者を狭め、相互主義によって認める法案
 このほかに98年当時、日本共産党は選挙権だけでなく、被選挙権も認める法案を独自提出している。昨日、同党の書記局長は同じ内容の主張を行ったようだが、同党は衆参両院において、すでに法案提出権をもたない“弱小政党”にすぎない。
 民主党の検討している法案は、(2)の段階に相当するもので、朝鮮籍者を事実上、除外するというのが特徴だ。今日付の「産経」は、このままでは中国籍の永住者にも認められることになるといつもながらの“中国脅威論”を煽っているが、もともと(1)や(2)においても、中国籍であろうとなかろうと、多くの永住者に認められていた法案なのである。なにをいまさらデマで煽っているのかという気になるが、重要なのは、朝鮮籍がそのまま北朝鮮国籍を意味しないという事実であろう。
 この場合の「朝鮮籍」は、朝鮮半島が戦後まもなく南北に分断される前の「統一朝鮮」のことであり、その後分断されて、日本と国交回復した「韓国籍」のみが国籍として認められるようになり、「朝鮮籍」から「韓国籍」に移行する人が増えただけだ。つまり、「朝鮮籍」は国籍ではなく、いまはすでに実在しない国の“符号”のようなものなのである。
 朝鮮籍者にはもちろん意図的に韓国籍に移行していない人も含まれるが、そのすべてが北朝鮮にシンパを抱く人というわけではけっしてない。日本人拉致に関わった朝鮮総連関係者は、上層部のごく一部であり、朝鮮籍の圧倒的多数は、そのような国家犯罪とは無縁の人々である。さらに朝鮮籍者は現在の北朝鮮地域の出身者というわけでもない。実はその多数は、南の韓国地域の出身者あるいはその子孫なのである。
 在日コリアンの夫婦には、夫が朝鮮籍のままで、妻が韓国籍というケースを、小生も複数知っている。民主党の朝鮮籍除外法案が提出され、仮に成立することになれば、今度は同じ家庭内に「新たな38度線」を作ることになり、差別そのものだ。制度の本来の趣旨にのっとって、平等な法案を成立させるべきだ。
 公明党はぜひとも(1)の98年当初法案に立ち戻り、民主党の誤りを「本筋論」から正していくべきであろう。そうでなければ、“後出しジャンケン”の意味はない。
 政治は矛盾や不公平をただす「正義」の実現のためにこそある。公明党が近い将来、本当に“飛躍”できるかどうかは、こうした一見地味に見える問題にも、命がけで闘う勇気と理念を持ちあわせているかどうかにかかっていると私は感じている。

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