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迷走する小沢政治

2009年10月28日

 民主党政治の綻びがいろいろと出てきているこのごろだが、そのわかりやすい事例の一つは、鳩山内閣の目玉の一つとされる行政刷新会議をめぐる動向だろう。仙谷由人行政刷新相がワーキング・グループの責任者にそれまで「無役」だった枝野幸男氏を据えて具体的な仕分け作業を始めようとした段階で、小沢一郎幹事長が待ったをかけた。1年生議員全員を外すように要求したことで、平野官房長官は連絡調整の不足を謝罪し、作業は中断されたままだ。
 本日付の朝日によれば、小沢氏は新人を外した後もいまだ納得していないようだ。さらに今日付の産経新聞には、民主新人議員の“小沢批判”が掲載されている。元犬山市長でこのほど愛知6区で初当選した1年生議員の石田芳弘代議士によるものだ。同氏は、「刷新会議のような仕事をやらないと、政治に対する信頼は戻らない」「『永田町ズレ』していない1回生の新鮮な感覚を予算の見直しに生かすべきだ」「次の選挙のことを言うのは『政治屋』、次の時代を語るのが『政治家』だ。党側も選挙のことばかりではだめだ。私だけでなくみんなが思っている」と勇気ある発言を行っている。
 ここで「政治屋」と揶揄されているのは小沢一郎氏のことであり、「みんなそう思っている」というこの1年生議員の発言は、小沢氏にとっては極めて重い発言であろう。
 部外者から見ていても、小沢氏は自身の献金問題のときに辞任要求発言をした枝野氏らに深い反感をもっており、今回の政権交代劇でも、能力ある同氏を露骨な意趣返しで「無役」にしたことはよく知られている。そうした「根に持つタイプ」の小沢氏は、何のための政治かをすでに見失っているようにさえ見える。
 行政刷新会議がやろうとしていることは、国民のために無駄な予算を省くための直接の検証作業であり、民主党が率先して行うべき仕事であろう。それを1年生議員はすべて自分の元で育てなければならない、お前たちには関わらせないとばかりに国民のための大切な作業を「中断」させている構図は、結局は、自身の権力維持のための政治であり、国民のための政治ではないことを露呈させているといわれても仕方がない。
 民主の内部分裂を“奇貨”として、予算を削られたくない省庁側が抵抗を強めている姿も、見苦しい限りだ。

 【産経ニュース】 http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091027/stt0910272349010-n1.htm

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