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堕ちた元委員長  8  「真実性」を立証しなかった矢野側  原野詐欺裁判で

2009年10月15日

 矢野絢也が代議士として初当選以来、地元の東大阪市で有力後援者の一人だった川脇彦治郎氏の遺族が、名誉棄損による損害賠償を求めて矢野本人を訴えたのは2006年12月のことだった。子息の川脇喜郎氏が「財界にっぽん」という月刊誌上で実名告発を行ってから1年後。川脇家が矢野ファミリーの原野商法で蒙った損害は、3000万円を超えていた。
 これらの告発に対し、矢野は直撃取材に訪れた記者に対し、事実無根と開き直ったため、それらの発言により、遺族らが自分たちがウソを言っていると見られかねないとして名誉棄損で訴えたものだった。一審判決では、矢野の発言が「原告らの社会的評価を低下させるものとは認められない」(大阪地裁)として請求を棄却。大阪高裁でも同様の判断となり、今年5月、裁判は終結している。
 この裁判で遺族らは、矢野が原野商法という詐欺行為に手を染めていた事実について、旭川の不動産会社の元社員の陳述書などを含む、多くの具体的な証拠を提出。当時、公明党書記長の任にあった矢野絢也が同社を訪れ、懇意にしていた事実なども明らかにされていた。もはや証拠は歴然としていたといえよう。
 これに対し、被告矢野側のとった態度は不可解なものだった。矢野側は最初から最後まで一貫して、「真実性」に関する主張・立証を一切行うことなく、事実経過についての言及を意図的に避け続けたからだ。「中身」の議論に立ち入ると、やぶへびになりかねないことを矢野本人がだれよりもわかっていたためと思われる。
 この裁判は、請求そのものは棄却されたものの、多くの具体的な証拠をもとに矢野の原野商法詐欺への関与を動かしがたいものとして位置づけ、明らかにしたという点で、大きな意味をもっていた。

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