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的外れな「産経」阿比留記者の論調  永住外国人地方参政権

2009年10月10日

 鳩山首相が総理就任後、初めて韓国を訪問したことで、外国人参政権の問題がとりざたされている。熱心なのは産経新聞で、阿比留瑠比記者の署名記事が9日付と10日付で連続掲載された。だがこの記者は勉強不足もはなはだしい。あるいは“確信犯”として書いているのであれば、いかにも産経らしい記者といえよう。
 主張の一つは、この問題が「憲法違反」であるといういつもながらの指摘で、95年2月の最高裁判決を“曲解・歪曲”した内容だ。反対派は所詮はそこに逃げ込むしかないのだから仕方あるまいが、同判決をきちんと読めば、日本国憲法の明文上は参政権は日本国民に認められた権利だが、地方自治においては、自治体と特段に緊密な関係をもつカテゴリーの外国人については、選挙権を付与することは「憲法上禁止されているものではないと解するのが相当」と述べている。この一連の論理に矛盾点はさらさらなく、地方参政権について、最高裁が「禁止説」に立っていないことは明らかであろう。
 この最高裁判決が反対派にとっては最大の邪魔者なので、「本論」と「傍論」という2つの内容に無理くりに分けて、一つの流れとして存在する論理を“切断”しようと、無駄とも思える努力を重ねているだけなのである。
 加えて、韓国がこのほど在外韓国人に国政投票権を認めるようになったことにより、在日韓国人に地方参政権を認めると、「二重投票」になるかのような理由もあげている。ばかばかしい議論だ。日本人の海外在住者であっても、「国政選挙」に関してのみは投票の仕組みがすでにできている。日本国内の地方選挙については、海外在住邦人には認められていない。その意味では、二重投票などという内容ではけっしてない。
 国政選挙は国籍で、地方選挙は居住で行うという観点であり、何ら矛盾するものではない。
 最後に、阿比留記者は10日付の解説記事で、在日コリアンを中心とする特別永住者より、中国人が急増している一般永住者を認めるのも問題としている。そもそもこの制度は、その立法趣旨からして、本来は一般永住者を対象にしたものであり、特別永住者は日本特有の歴史的経緯に基づいているものである。
 まるで制度の趣旨すら理解していない産経記者の、お粗末な原稿といえよう。

 【産経9日付】 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091008/plc0910082135013-n1.htm
 【産経10日付】 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/091009/plc0910092220014-n1.htm

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