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外国人選挙権  法案は「98年当初」の内容に戻せ

2009年9月27日

 新聞ではあまり大きく報じられていないが、公明党の山口那津男代表は26日、この秋の臨時国会で、永住外国人に地方選挙権を付与するための法案を議員立法で提出することを明らかにした。98年以来法案を提出し続けてきた同党にとって、先の衆院解散で自動的に「廃案」となっているのだから、政党としては当たり前の行為であろう。問題は法案の中身である。
 98年当時、最初の法案では、永住外国人のすべて(一般永住者+特別永住者)が対象であったこの法案は、その後、対象枠を段階的に縮小してきた。この問題は細部にわたるためか、あまり議論されることもない。すなわち、北朝鮮の問題がいろいろ取りざたされるようになると、朝鮮籍などを除外した法案を出した。朝鮮籍は別に北朝鮮国籍ではないにもかかわらず、成立を焦る余りか、“必要のない妥協”を重ねたことになる。それでも成立しないと見た当時の公明党幹部は、さらに法案内容を「相互主義」に切り替えた。例えば、相手国で、日本国籍の永住者などに同様の選挙権が認められている場合にのみ、日本側でも相手国の国籍をもつ永住者に対し認めるというものだ。
 例えば、韓国では、永住外国人への地方選挙権付与をすでに認めているので、日本にいる韓国人永住者には認めるという具合だ。さらに欧州では、欧州域内の国家同士は認めていることが多いものの、日本などのそれ以外の国籍者には認めていない場合もあり、相互主義を採用すると、欧州市民には日本では認められないケースが増えることになるだろう。そのため、相手国がこの制度を採用し、日本人永住者に対しても認めているかどうか、日本側はすべての国家における現状を常時、把握しておかなければならなくなり、事務作業は膨大だ。さらに各自治体の選挙人名簿づくりでも、この国はOK、この国はダメといちいち確認し、チェックを行う必要が生じる。これでは制度の意味ははなはだ薄れる。
 結論からいえば、公明党と民主党は、98年の当初案に法案の内容を戻すべきだ。永住外国人の当事者や民族団体の幹部もそのように考えている人たちが圧倒的に多い。
 実際のところ、特別永住者の多い在日コリアン社会では国籍は多岐にわたる。一つの家族に、日本籍、韓国籍、朝鮮籍が混在するケースも珍しくない。公明党の「その後の案」に基づけば、韓国籍の家族には地方選挙権を認めるものの、朝鮮籍の家族には認められなくなる。これでは同じ家庭内に「新たな38度線」をつくるようなもので、到底好ましくない。もちろん、朝鮮籍が北朝鮮国籍を意味しないことは自明のことである。
 民主党は上記の法案を、議員立法ではなく、内閣提出の閣法で提出する方針と報じられているが、公明党が野党の立場にあって、政策ベースで是々非々の態度をとるのは当然のことであろう。
 ちなみに、民主党はこの問題について、マニフェストに掲載したことは過去に一度もないようである。そのため、同党がマニフェストから「外した」と述べる者たちの主張は、正確なものではない。最初から記載されていないのだから、当たり前だろう。ただし、同党の政策集(インデックス)には、きちんと入っているということだ。

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