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右傾化のなかで金儲けしてきた新興出版社

2009年9月4日

 どうもこの手の話がつづくがしばらくご勘弁を。96年のつくる会、97年の日本会議結成のきっかけになったのは、やはり村山政権の影響が大きかったと思える。95年の終戦50年目の国会決議でも、保守派とのつばぜり合いが激しくなされた。そうした危機感から強まったのが、歴史教科書の記述を修正(捏造)しようという流れであり、さらにはそうしたものを含めた保守・極右を総合的にまとめるセンター(日本会議)の出現だった。
 バックボーンになったのは、神道関係をはじめ、保守系宗教教団などであり、佛所護念会、統一協会、生長の家が「右派ご三家」と呼ばれてきた。日本会議の中枢にいるのは、こうした「宗教右翼」であり、根は深い。同組織は党派を超えて全国の地方議員を組織し、現在1000人が加盟していると豪語する。今回の総選挙以前は、国会議員も250人を擁していた。
 この10数年、この組織が社会に着実に影響を与えてきた結果、日本の過去の戦争責任を否定する論調は強くなる一方だった。応援団のメディアとしては、文藝春秋発行の「諸君」(すでに休刊)、産経新聞社の「正論」につづき、新たにワック株式会社の発行する「WiLL」という月刊誌が登場したのもそうした背景からであり、最近では「マンガ嫌韓流」を出版して大儲けした晋遊舎(しんゆうしゃ)という会社もその類いだ。
 晋遊舎からは、瀬戸某や西村某などの“お粗末右翼”と連携することで評価を落としている排外差別主義者・桜井誠の著作も出ていて、書名をみると『反日韓国人撃退マニュアル』。在日韓国人を日本から追い出してしまえという主張につながっており、その内容は上記の「マンガ嫌韓流」の4巻でも記述されている。
 彼らは「在日特権」は本名以外に通名を名乗っていることにあるなどと批判しながら、その桜井自身は「偽名」を名乗っているとされ、本名は「高田誠」とも「木村誠」ともいわれる。さらに「マンガ嫌韓流」の作者「山野車輪」も実名ではなく、裁判上の記録などによれば、山野の本名は「山口真一」というらしい。
 「マンガ嫌韓流」は、個々のパーツは事実を使ったものにも見えるが、全体としては在日コリアンに関する「偏見」と「差別」を煽るだけの内容であり、人種差別を助長するためのマンガだ。国家が違えば、“犯罪的書物”として発行禁止にされかねない内容である。日本ではこんな書物でも、筆者が「偽名」を使ったまま、億単位の収入を得ることができる。人権意識がここまで低下している「先進国」も少ないのではないかと感じている。

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