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後援会員という名の非党員支持者たち

2009年6月13日

 日本共産党は不思議な政党だ。党組織はすでにガタガタといわれているのに、選挙ではいまだにそれなりの票を獲得する。全国党員38万人、実態は20万人程度と見られている。つまり、公称党員の半分しか実態はないわけだ。だがこのわずか20万人で、全国数百万規模の得票を得ることができるのはなぜなのだろうか。
 いくつか理由を挙げることができると思われるが、一つは「後援会」の有効活用だろう。関係者によると、全国で380万人にのぼるという。民主商工会などを中心とした業者後援会、土建関係、婦人組織など、多くの後援会に支えられている。これらの後援会を束ねるのは一級の活動家党員だが、構成員は非党員の「共産シンパ」ということになる。
 地元の共産党議員から生活保護や事業資金の融資の仲介を受けるなどして世話を受けた有権者が、その見返りとして、「しんぶん赤旗」の購読を頼まれたり、選挙のときに得票依頼されるのはごく日常的なことだ。そうして結びついた後援会員の名簿が党組織に完備されており、選挙のときには必ず電話がかかるのもこうした人々だ。いまもやっているかどうか知らないが、共産党系病院では、受診した患者カルテを元に病院の一室を使って投票依頼の電話をかけるといったことも日常的に行われてきた。
 こうした後援会の拡大は、地方議員による生活相談を通して多くがなされる。口コミで広がっていくことが多いようだ。
 一方で、足元の党組織がボロボロであることは間違いない。党員自体の数は上記のような規模であり、いずれも急速な高齢化が進んでいるので、たまに青年層が入党すると、「共産党は老人ホームなのか」との感想を抱く新党員も当然のごとく現われる。
 党組織においては、地区委員会(東京の場合は各23区ごと)の下に「支部」という最末端の組織がある。週1回の支部会議に出席する党員は、少ない場合は2~3人、多くても数人というところが多いようだ。
 同党所属の区議会議員などの場合、担当エリアのいくつかの支部を担当することになる。関係者によると、同党での票読みは実際の得票目標の2倍を設定するといい、2万票とりたい場合は4万を目標に確認数を吸い上げていくのだという。
 日本共産党においては、議員はさほど偉い存在ではない。例えば東京23区内では、各区の地区委員会が権限をもち、作戦を組み立てる。区議会議員はその指令を受けて動く“尖兵”にすぎず、手足にすぎない。地区委員会は地区委員長を中心とする7~8人程度の常任委員会で構成され、常任委員会には区議会議員の中核となる人物が1~2人はいることも多いようだ。
 地区委員会の専従職員は数人の規模。いわゆる専従党員であり、党内にあっては中央や都組織からの指令を受け、選挙戦をリードする。権限をもつ反面、給料は低い。遅配などはごく当たり前で、そのためか配偶者にも仕事をさせているケースがほとんどだ。共産党職員の前歴があるだけで雇ってくれる企業は少ないので、つぶし(転職)もきかない。日本を共産主義化することは「不可能」と多くの職業党員が知悉しているにもかかわらず、そこで仕事を続けるしか道はないわけだ。
 選挙戦にかかわる地元のビラ作成に関わるのも、こうした職業幹部たちであり、長年、同じことをやってきた手前、その道の「プロ」として効果的なビラを作成する能力をもつ。たとえ他党の実績であろうと、それを共産党の実績のように読み取れるビラを作成し、有権者を騙すなどといった行為は、朝飯前の作業だ。
 共産党では、ごく少数の党内エリートが、上記の支部党員や後援会を動かし、選挙戦をつくりあげる。それを可能にしているのは、ひとえに全国に張り巡らされた3000人の地方議員の存在であろう。彼、彼女たちが地元の後援会員らとフェイス・ツー・フェイスでつながり、集票の基盤となっている。
 最盛期に比べすでに4分の3に減った地方議員の数が、今後の同党の盛衰を決定づけていく。

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