ホーム > コラム, 矢野絢也 > 矢野絢也の素顔  47  石川銀行を破綻させた矢野ファミリー企業

矢野絢也の素顔  47  石川銀行を破綻させた矢野ファミリー企業

2009年5月21日

 今年の4月某日。兼六園に近い名古屋高裁金沢支部で一人の男性が証言台に立った。高木茂、73歳。石川銀行(旧加州相互銀行)の元頭取で、商法の特別背任罪に問われ、一審で懲役3年の実刑判決を受けた人物の控訴審である。
 地裁判決によると、高木被告は2000年9月、回収が困難と知りながら、広告会社「ナショナルエンタープライズ」(東京・渋谷区)が実質的に経営する千葉県内のゴルフ場運営会社に57億円を融資し、ほぼ全額を焦げ付かせるなど同行に損害を与えた。
 元頭取の逮捕は地元財界にも大きな衝撃を与えた。上記のナ社は、もともとナチュラルグループが関与してできた会社で、その経営者などが矢野絢也などとも一時期、密接な関係をもってきたことで知られる。いわゆる矢野ファミリー企業の一つに位置づけられる会社といってよい。だが、そうした企業への不正融資が原因で、同行は刑事責任を問われただけでなく、自己資本比率の低下に焦った同行が無理な第三者割当増資を行い、破綻する結果となった。
 加州相互銀行の名は、矢野ファミリー企業とされる専門学校などの土地建物、さらに矢野本人の不動産などにも頻繁に顔を見せる。創業者の2代目であった高木茂は、矢野と極めて近い関係にあった歯科関係専門学校グループの公益法人の理事長をつとめた時期もある。まさに矢野本人とは“ズブズブ”の関係にあったといってよい。
 その人物はいま、地方銀行のトップから一転、2年8カ月の拘留生活をおくることになり、いまも刑事裁判を続けている。7月には高裁判決が出される見込みだ。さらに債権者からは複数の民事裁判を起こされ、高額の損害賠償請求訴訟にさらされている。矢野絢也らと出会うことがなければ、このような目には遭わなかったのではないかと、筆者は考えている。

広告
カテゴリー:コラム, 矢野絢也
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。