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矢野絢也の素顔  44  権力を私的に利用したファミリービジネス

2009年5月15日

 昭和40年代後半、価値の乏しい「原野」を偽って切り売りする“詐欺商法”で利益を得た矢野絢也ファミリーが、次に手を伸ばしたのは「歯科技工士」などを育成する専門学校ビジネスへの進出であった。それは昭和50年代前半から大阪方面において行われ、さらに東京でも進められた。原野商法で活躍したいとこや元秘書のNなどがその中核となり、実績をつくっていった。さらに健康食品などの訪問販売大手「ナチュラルグループ」にも別の元秘書らを送り込み、密接な関係を築いた。
 これらのビジネスで重要な働きをした金融機関がある。金沢市に本店をもつ地方銀行であった加州相互銀行(のちの石川銀行)で、矢野ファミリーは同行をまるで個人銀行のように自在に活用した。石川銀行は矢野ファミリーへの杜撰な融資などが原因でその後「破たん」することになるが、矢野ファミリー企業の不動産や矢野本人のかつての新宿区の自宅など、いたるところに痕跡を残している。
 これらの歯科関連ビジネスやナチュラルグループ、加州相互銀行の果たした役割はそれぞれが独立した動きではなく、相互に密接に絡み合う関係にほかならなかった。共通するのは、矢野絢也が公的に使用されるべき政治権力を“利用”する形で、自らの利益に還元していったという「事実」である。

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カテゴリー:コラム, 矢野絢也
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