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誤報ではなく「捏造」と主張する人たち  週刊新潮「虚報」問題

2009年4月21日

 「週刊新潮」デマ手記問題の余燼がくすぶりつづけている。早川清編集長の謝罪検証記事が同誌に掲載されたあと、新聞メディアはその件を一斉に報じたほか、多くの新聞が社説でも扱うという“異例の展開”となった。今日付の朝日新聞は社会面で、告発者となった男性の住民票が架空のため、市役所側から強制的に抹消されたことが報じられている。住民票を架空のネットカフェにおくことを手助けしたのは、週刊新潮編集部にほかならない。
 さらに本日発売の「週刊朝日」「サンデー毎日」もそれぞれ続報記事を2ページで掲載した。週刊朝日では右翼関係者の次のようなコメントが付されている。
 「私がこれまで接触した記者の方たちも一様に、あの“幻の大スクープ”は『島村と新潮取材班とのマッチポンプ、すなわち「捏造」である可能性が強い』との感想を持っている。正直言って、新潮が『騙された』などと思っている者は、新潮取材班以外に皆無に等しいだろう」
 さらにサンデー毎日では、ノンフィクションライターの佐野眞一氏がこう述べる。
 「新潮は島村氏の話を信じたいから信じたのでしょう。結果として読者を騙そうという共同謀議がばれたから、早川氏の記事を掲載したとしか思えませんね」
 共通するのは、「新潮が男性に騙された」わけではけっしてなく、両者は“共謀関係”の共犯者にほかならなかったとの指摘である。要するに、被害者ぶるのは偽善に過ぎないとの主張に受けとれる。
 上記の右翼関係者は、早川氏らに抗議するために直接面談した際、早川氏が告発男性には一切、金銭提供はないと嘘を述べた事実を暴露している。これらから見えてくることは、早川氏にとって所詮、世間・読者などというものはどのように騙してもよい存在にすぎず、雑誌が売れるためなら何をしてもよいという姿勢でしかないことになる。
 つまりは、情報を商売道具にしただけの“賤業”であり、雑誌ジャーナリズムの意義をそこまで貶めたのは、週刊新潮自身ということになりはしまいか。
 週刊朝日の記事によると、告発男性は居場所に困り、都内の病院に体調を偽って入院したりなどしているようだ。今後、この男性が何らかの社会的問題などを引き起こした場合、「新潮社」も道義的に大きな責任を負うことになる。

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カテゴリー:コラム, 新潮社
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