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矢野絢也の素顔  33  「詐欺」行為の代償

2009年4月20日

 学会が政教分離を表明した70年5月からわずか2カ月後——。公明党書記長として北海道を訪問した矢野絢也は、地元選出の公明党所属代議士に対して、「不動産を扱っている北海道のいい会社はないか」と打診した。そこで紹介されたのが、旭川市に本店をもっていた七和商事という名の不動産会社で、矢野は同年10月に同社を訪問したとされる。さらに年末には、事実上の弟ともいえる従兄弟を名代として旭川に赴かせ、同社を訪問させたとされる。矢野絢也のダミー会社「善興」あるいは矢野ファミリーによる「原野商法」という名の詐欺行為はこのようにして始まった。
 支援者らを結果的に欺いた土地売買が実際に行われたのは、72〜73年ころのようである。無料同然の土地を、「将来新幹線が通るから」などと虚偽の説明を行い、高額で売りさばいた。そのとき、矢野側が本当にそう思っていたのかどうかは定かでない。結果的に被害者らは現職政治家が事実上関与するダミー企業などによって、多額の詐欺に遭ってしまった。
 株式会社善興の設立時の役員欄には、矢野絢也の実母、配偶者、従兄弟など「矢野ファミリー」の名がずらりと並んでいる。名前がないのは、「政治家」であった矢野絢也本人だけだ。このとき現職政治家の名が表に出るのはまずいと考えたのは間違いない。
 こうした物的証拠が厳然と残っている事件だけに、いくらこの問題で事実摘示をされたとしても、矢野絢也が虚偽事実による名誉棄損で訴えを起こすことはできない関係にある。そんなことをすれば逆に真実性を認定されてしまい、「墓穴」を掘ってしまうことになりかねないからだ。その意味で、この問題は元政治家・矢野絢也にとっての“アキレス腱”そのものといってよい。
 公党で長年にわたり最高幹部を務めた人間が、その支持者に対し、多額の「詐欺」を働いていたのだから当然のことであろう。しかもそれらの事実を指摘されるや、「まったく関与していない」などとぬけぬけと口にできるのも、虚言癖者の常套手段そのものの姿である。詐欺行為はどこまでいっても詐欺行為だが、同人は少なくとも、この問題で「結果責任」から逃れることはできない関係にある。 

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カテゴリー:コラム, 矢野絢也
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