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“制度疲労”に陥った「講談社」の危機的状況

2009年4月7日

 経済関係の月刊誌「ざいてん」が最新号(5月号)で、「喘ぐ出版界の雄『講談社』 華麗なる『野間家』の苦悩」と題する6ページの特集記事を掲載している。これを読むと、講談社という出版社がいかに危機的状況に置かれているかがよくわかる。一誌で年間20億円もの赤字を垂れ流す「週刊現代」、優良不動産を売却しても黒字に転化することができない経営状況、編集現場を何も知らない御曹司によるコストカッターの言動など。大企業が経営危機に直面する際の典型的事例が詳述されているといってよい。同レポートによれば、グループ会社の光文社も「あともって3年というのが幹部たちの共通認識です」との談話も付されていて、出版界の末期的現状には暗澹たる思いがする。
 実際、講談社は調書漏洩事件でも、この問題で大きな責任をもつ担当編集者をなんら処分することなく、幹部の減給だけで済ませたという声もある。この事件が結局、ノンフィクションの最後の砦とされていた「月刊現代」の休刊につながったと見る識者も多い。
 一方、出版系週刊誌の雄とされてきた「週刊新潮」のデマ手記問題では、本日付の産経新聞が第3社会面で大きな記事を掲載した。記事では、この問題と、日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」問題との類似性を指摘している。実際、バンキシャ問題では日本テレビの社長が引責辞任。その際、前社長は「誤報であり重大な監督指導不行き届き。(辞職で)事の重大性を全社員に認識させたい」という言葉を残している。
 新潮社は近く何らかの見解をまとめる方向というが、産経記事では朝日が結論づけた「虚報」が事実とすれば、「責任問題はもちろん、雑誌の存続すら問われる事態になる」との業界関係者のコメントを記載している。バンキシャ問題に習えば、新潮社も社長の引責辞任の事態に匹敵するが、どのような結果になるか。
 上記の産経記事において長めのコメントを寄稿した花田紀凱氏は、「ハッキリ言えば、朝日新聞の言うとおり、今回の実名告白は『虚報』と判断するしかない」とし、「詫びるしかない。詫びて、なぜそういう問題が起こったかを徹底検証し、それを誌面で発表するしかあるまい。それが読者に対する責任というものだろう。そうしなければ週刊誌全体の信頼性が疑われかねない」と指摘している。

 【産経ニュース】 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090406/biz0904062046012-n1.htm
 【産経ニュース】 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090406/biz0904062049013-n1.htm

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