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「週刊新潮」デマ手記問題  朝日新聞が異例の「社説」と「検証記事」を掲載

2009年4月1日

 「週刊新潮」が朝日新聞阪神支局襲撃事件の実行犯と名乗る男性の証言を、十分な裏づけ取材もせずに掲載した問題で、朝日新聞は4月1日付の社説で扱うとともに、1ページの検証記事を掲載した。同紙では連載終了後の2月23日にも「虚言 そのまま掲載」という大見出しの検証記事をすでに掲載している。新潮社は関係者の抗議に対し、秘密裏に金銭和解で問題処理したと報じられており、自ら≪誤報≫であったことを事実上認める態度をとっている。
 社説では、「報道するにあたっては当然、真偽を詳しく吟味するのがメディアの責任だ。だが、週刊新潮にとってはそうではないらしい」という言葉で始まり、「当然なすべき取材をしていれば、島村氏の主張が『虚言』であることはわかったはずだ」と指摘し、「伝統ある週刊誌の一つがこうした報道をし、過ちを一向に認めないのは残念というよりも悲しい」と感想を述べている。最後に、「今回の週刊新潮の報道は、メディアの信用を著しく傷つけた。新潮社は、その責任を明確にすべきである」と結論づけている。
 さらに検証記事のほうでは、島村氏に犯行を指示したとされた元米国大使館職員が、当時は島村氏の存在を知らなかった事実などを具体的に指摘している。
 「週刊新潮」を発行する新潮社は、すでにこの手記の編集責任者である早川清氏の更迭を決めていると報じられているが、内部的な人事だけで済まされる話でもなかろう。
 ちなみに、「噂の真相」編集長をつとめた岡留安則氏は、「月刊現代」休刊に伴って3月末に有志の手で発刊された冊子『現代と私たち』のなかで、この問題にふれ、次のようにコメントしていた。
 「『週刊新潮』が最近掲載した『赤報隊』の連載記事はガセネタにやられたようだけど、これを見ていると編集者の能力のひどい劣化を感じざるを得ない。ガセネタを真っ正面から信じ込むなんて論外だし、もっと違う『新潮』らしい切り口で報じることだってできたはずだけどね。やはり、経営が思わしくないとあせりも出てくるだろうし、こうして悪循環の弊害に陥ってしまうんだろうね」
 詐欺師の「虚言」を利用して金儲けを図ろうとした「老舗週刊誌」の罪はどこまでも大きい。

 【朝日新聞社説】 http://www.asahi.com/paper/editorial20090401.html#Edit2

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