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「週刊現代」創刊50周年の月に

2009年3月7日

2009/03/07(Sat)
 1959(昭和34)年3月30日、講談社は「週刊現代」を創刊した。約10日前、同社は「週刊少年マガジン」も創刊していたので、2つの新しい週刊誌を一挙に刊行したことになる。翌月はじめには「週刊文春」も発刊されるが、一つの伏線があった。4月には現在の天皇が皇太子として結婚したのだ。情報媒体がいまほど発達していない当時、皇室の慶事は週刊誌を売るための一つのきっかけに映ったのだろう。そのためか、「週刊現代」創刊号のメイン特集は「ご成婚はこのように行われる」というもので、祝典行事がどのように行われるかを事前解説した10ページの大特集となっていた。
 目を引くのはそれだけではない。いまでいえば“左トップ”の特集記事がなんとも象徴的なのだ。タイトルは、「問題特集 八百長相撲はやめてくれ!」というもので、5ページにわたって当時の相撲界の八百長疑惑について具体的に取り上げていた。これを見る限り、日本の相撲界の八百長がどれだけ長い歴史をもつかが一目瞭然であろう。だが皮肉なことにそれからちょうど50周年を迎えた今月5日、「週刊現代」は日本相撲協会などから名誉棄損で訴えられていた裁判の一審で完全敗訴し、1540万円の賠償命令とともに取消広告(謝罪広告よりさらに深刻なもの)の掲載を命じられた。
 いずれもこの記事の執筆者が藤田憲子氏から聞いた具体的な八百長話について、その裏づけ取材が不十分で客観的証拠も存在しないといった内容で、名誉棄損訴訟では著名人であるほど賠償額が増える傾向にあるために、この金額になったものだ。一昨年の「週刊現代」のキャンペーンに対して日本相撲協会が起こした裁判はこのほかにも2件進行しており、うち一件が今月26日に判決言渡しの予定という。結果は、似たようなものになることが予想される。
 さらに翌日の27日には、元政治家の矢野絢也が「週刊現代」を使って嘘八百を並べ立てて一審で完全敗訴した裁判(これも謝罪広告つき)の控訴審判決が予定されている。
 同社は、「講談社の新しい週刊誌」とかつて社運をかけて大宣伝した雑誌の50年後がこれではやりきれまい。

 【産経ニュース】 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090305/trl0903051502009-n1.htm
 【判決の要旨】 http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090305/trl0903051544010-n1.htm

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カテゴリー:コラム, 講談社
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