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「三浦冤罪説」のお粗末

2009年1月11日

 毎日新聞が今日付の社会面で、昨年10月にロサンゼルスで首吊り自殺した三浦和義元社長に関して報道し、ロス市警と検事局は白石千鶴子さん殺害事件についても新たに逮捕状を請求する方針であったことを伝えている。ひとつのスクープ記事といってよい。
 元社長は自分の3人目の妻を他者に命じて殺害しようとした「殴打事件」では懲役6年の有罪判決を受けた一方、「殴打事件」から3ヶ月後に起きた「銃撃事件」では証拠不十分で逆転無罪を勝ち取った。殴打事件は殺人未遂事件であり、銃撃事件は殺人(既遂)事件である。ふたつの事件とも被害者となった妻に多額の保険金がかけられていたこと、それぞれの事件の期間がわずか3ヶ月しか離れていなかったこと(いずれも昭和56年の事件)、どちらとも日本の警察が直接関与できない米国ロサンゼルスで起きた事件であることなどが特徴だった。
 これとは別に、三浦元社長が同棲していた女性、白石千鶴子さんが何者かにロスに呼び出され、白骨死体で見つかっていた事件(殺害は昭和54年)では、元社長は白石さんの銀行口座から自由に金を引き下ろして使っており、さらに白石さんのロス滞在時にもロスに行っていた。元社長は当時のマスコミに、銀行口座の金を使っていないと大ウソをついていたが、あとでその事実を認めるに至った。だが、日米の捜査当局ともこの事件を立件することはなかった。
 今回の毎日報道によれば、ロスの捜査では、白石事件についてDNA鑑定などで新証拠が出たわけではなく、当時の状況証拠からこの事件も立件できるとの判断だったようだ。
 わが国には“三浦冤罪説”を唱える奇特な人々が存在するものの、上記の事実経過から見ても、元社長が「殺人鬼」であることは間違いない。それを否定しようとするならば、上記の「殴打事件」(殺人未遂罪)で有罪となった刑事事件について、元社長以外の「実行犯」や関係者全員が“集団偽証”していた事実を「立証」しなければならない。私の知る限り、そのようなことをした人は過去に一人もおらず、それでいて、予断と偏見のみで都合よく“三浦冤罪説”を繰り返しているにすぎない。
 都合のいい無罪判決はおおっぴらに“宣伝”し、都合の悪い有罪判決には無視・黙殺を決め込む。ファクト(事実)に対してとうてい公平とはいえない態度は、ジャーナリズムなどとはけっしていえまい。
 いずれにせよ2008年は、三浦和義や山崎正友といった、日本の特徴的な「サイコパス」が相次いで死去した年として刻印されることになった。
 【毎日jp】 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090111ddm041040140000c.html
 【共同通信】 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20090111010002241.asp

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