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「草の根」の闇5  議会場で万引きを「自白」していた朝木明代

2008年10月3日

 1995年7月13日の朝、新聞各紙では、東村山市議会議員・朝木明代が前日、窃盗容疑で事情聴取を受けた事件で東京地検八王子支部に書類送検されたことが報じられていた。87年に東村山市議会議員となって3期9年目、不正追及のクリーンさが市民に受けて磐石な基盤ができたあとに出てきた「草の根」のエースによる“不祥事”だった。地元では一躍注目の人となった朝木は、この日、総務委員会が開かれる部屋へ顔を出していた。朝木の姿を目にした他党の市議が思わず声をかけた。
 「万引きで送検されたんだって?」
 そのとき朝木明代が返答した象徴的な言葉は、すでに多くの人に知られている。
 「なによ、送検されたくらいで。現行犯逮捕もできないくせに。だいたい、品物を取り返しておいて問題にするほうがおかしいわよ」
 これらのやりとりは、その場にいた総務委員会所属の市議会議員や傍聴席にいた市民ら10人ほどに聞かれている。私も数年前、取材で裏づけをとるときに、複数の証言を確認している。
 明代はすでに警察署で3回の取調べを受け、なぜか2回目から突如、アリバイの主張を始めていた。だが、それらの偽装工作は見事に瓦解する。その上で書類送検されたのだったが、それまでのアリバイ主張を自ら否定するような「自白」を、他党議員に対して行っていたわけだった。
 そのとき、総務委員の一人として現場にいた矢野穂積は、朝木の上記の発言を苦々しく聞いていたとの証言がある。矢野にとっては、“下手な役者”が演技上のボロを出すのを見るような気分だったのだろう。この事実は、朝木明代の事情聴取におけるアリバイ工作の裏に、矢野穂積という人物がいたという「構図」を浮き彫りにしている。
 結局のところ、朝木明代は、“踊らされたピエロ”にすぎなかった。罪を率直に認め、アリバイ偽装工作などに手を染めなければ、死ぬ必要などまったくなかった。(つづく)

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