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ドクターヘリが16道府県に拡大  今年度

2008年9月22日

 昨日、千葉県・東金市で放置されていた女児のニュースで、ドクターヘリで病院に運んだと書いてあったので、おやと思った。現在、国や都道府県の財政支援を受けたドクターヘリは全国で14機が飛んでいる。なかでも千葉県(日本医科大学千葉北総病院)のヘリは先進的な活動実績で知られるからだ。人気テレビドラマ「コード・ブルー」の舞台となったのも同じ病院である。この病院の救急医療の責任者は、警察庁の国松長官が狙撃されたときにメスを握った救急医の一人としても有名だ。
 現在、ドクターヘリを配置している都道府県は、北から順に、北海道、福島、埼玉、千葉、神奈川、静岡(2機)、愛知、長野、大阪、和歌山、岡山、福岡、長崎の13道府県。さらに今年度中に、青森、群馬、沖縄で新たに配備予定だ。その結果、16道府県に拡大される。全国47の都道府県のうち、ようやく「3分の1」までこぎつける計算となる。
 「空飛ぶ救命室」の異名をとるドクターヘリが都道府県に一つの割合で配置されると、その地域の救急医療は格段にアップする。救急車なら30分かかるところをヘリなら3分で飛べるので、時間との戦いが生死を左右する重症患者の救命率を大幅にアップさせるからだ。ドクターヘリの導入によって、救急車なら死亡すると見込まれる搬送患者のうち、約4割の命が助けられるとの積算データもある。
 ドクターヘリは欧米では当たり前の制度として知られる。『ドクターヘリ 導入と運用のガイドブック』(2007年)によると、欧米各国におけるドクターヘリの導入数は、米国647、ドイツ78、イタリア48、オーストリア38、英国26、スイス15といったぐあいで、全国配備が当たり前だ。日本の国土面積はドイツにほぼ匹敵するが、わが国は当面、50機を目標に導入を進めている(北海道・沖縄は複数機)。
 命の重さはよくその国のGNPに比例するなどといわれる。発展途上国で台風や洪水などで何千人も死亡しても、日本の新聞ではベタ記事扱いにしかならない。一方、先進国の国民となれば、一人の事故でも大騒ぎになるといった現象が時折見られる。その意味では、日本人の命の重さは欧米諸国と比較すると、軽く扱われすぎた。背景には、縦割り行政の弊害が重く横たわっていた。消防は自治省、ヘリは運輸省、医療は厚生省といった区分が、早期導入を難しくしてきた面が強かったからだ。
 そうした弊害に「穴」を開け、全国推進の音頭をとったのは、公明党である。昨年6月、ドクターヘリの法律ができてから1年、配備は着々と進んでいるようである。

 ◎すでに導入済の「13道府県14機」
 【北海道】 手稲渓仁会病院 (札幌市)
 【福島】 福島県立医大病院 (福島市)
 【埼玉】 埼玉医科大学総合医療センター (川越市)
 【千葉】 日本医科大学千葉北総病院 (印旛郡印旛村)
 【神奈川】 東海大学医学部付属病院 (伊勢原市)
 【静岡①】 順天堂大学静岡病院 (伊豆の国市)
 【静岡②】 聖隷三方原病院 (浜松市)
 【愛知】 愛知医科大学附属病院 (愛知郡長久手町)
 【長野】 佐久総合病院 (佐久市)
 【大阪】 大阪大学附属病院 (吹田市)
 【和歌山】 和歌山県立医大病院 (和歌山市)
 【岡山】 川崎医科大学病院 (倉敷市)
 【福岡】 久留米大学病院 (久留米市)
 【長崎】 長崎医療センター (大村市)

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